(監督:リドリー・スコット)
チェック×チェック×チェック
端的に云って、『男が救われる映画』。ジャンルで云えばヒューマンドラマ。それがジャンルと云えるならば、だけど。
手堅くまとめたコンゲーム映画ではあるが、その小気味よさがメインテーマではない。もしそのつもりがあるなら、元々主人公が騙されることはないハズだし、ラストに大逆転があるのが常道だと思う。そんな観客サービスがなく、さえないオチで幕を下ろすのだから、犯罪がテーマではないのだ。
一応、ストーリー上、かなり大きなドンデン返しあったけど、それってミステリー系映画であることのエクスキューズじゃあないからね。第一、意表をついた展開ではなく想像の範囲内で、そういう意味においては全然ドンデン返されてない。(もっとも、あそこまで、かっぱがれるとは思わなかったけど。容赦ないよね)
しかも、持っていかれておしまいってのじゃ、あまりにもカタルシスがない。普通、復讐戦があって、でもって改心して終わりってくるんじゃないでしょうか。別にステレオタイプな展開でないことに異を唱えるつもりはないが、やられっぱなしで終わってしまうオチのつけ方のほうが、オレ的にはドンデン返し的インパクトであったなぁ。