CHART-DATE : (2003/12)
作品
裏世界
… アンダーワールド

(監督:レン・ワイズマン)


お話

 夜の街でガォー。あ、全然違うや。


お話

 雰囲気はよかった。ひたすらに夜。闇。雨。ノワールな銃撃戦。黒長のコートをはじめとするビザールな衣装。もうバリバリに冴えまくる(自意識過剰な?)美意識にクラクラする。エッジのたった演出もいいし、わかってるなぁ。
 ストーリーとしても、人類には見えない闇の世界におけるヴァンパイアとライカンスロープの確執と闘争という設定を、縦横無尽に展開できているし、グッとくる部分多し。

 が、しかし。だからといって傑作とはならないところが映画マジックの面白いところなのだなぁ。

 どこがどう悪いというわけではないのだけれど、なんとはなしに「ちょっと違うかなぁ」という感覚が出てしまっているのだ。確かに話がわかりやすくないってところはあるけれど、それは昨今の微に入り細に入りの説明過多なおせっかいとは無縁なスタイリッシュさだと思う。不必要なバックグラウンドなどは一々説明なんかしなくても、多少の暗示程度で観客に推測させてしまえばすむし、そのほうが深みがあるように思えるものだし、そういう感覚を持った演出をしていて、そこらへん器用に処理できている。だからそれが問題なのではない。

 なのに何故?

 結局、設定上の大前提と相反しちゃうのだが、絵づらが夜や闇ばかりで、目がついていけないってことなのかもしれない。暗い中でアクションされてもよく見えないんだよねってこと。この映画はつまりはコミックブック的な作品、云い換えると“なにはなくても絵づらが一番”であるわけで、それはオープニングのクールに決まったカッコよさからもわかるだろう。だからこそ、もう少し観やすければ、もっとポイント高くなったんじゃあないのではなかろうか。でもそうすると、この作品の設定というかレゾンテートルが壊れちゃうし。多分にニュアンス論ではあるので、判断が難しいところ。


お話

 もちろん、一番の見どころはヒロイン、ケイト・ベッキンセール。ビザール美に悩殺されまくりっす。


お話
★★★ ☆☆

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