CHART-DATE : (2004/01)
ボク万能
(監督/製作:トム・シャドヤック)
君は神を見たか!?
普通に面白かった。そこそこ楽しめた。これって、裏を返せば、ここが見どころでここが凄い! というような飛びぬけたところがないという意味でもあるのだけれど、別にそういう映画を期待していたわけでもないので許す。シチュエーションコメディ好きだし。ジムキャリーも好きだし。あえて難癖つける必要もないんだけど。さ。
あくまでもあえて、ここをこうして欲しかったという部分をコメントすると。
微妙に「ここをもっと押せばどっかんどっかん笑いのツボに入るんだけどなぁ」という残念感があるのだ。
シチュエーションコメディとは、ストーリー(より正確に云うならば、ネタのふりと、その回収)の妙が大事なんだけど、なんとなくまとまりがないというか。いや、まとまってはいるんだけど、ストーリーとしてのカタルシスの持っていき方が、オレツボに合わなかったというべきか。
せっかく全能の力を手に入れたにもかかわらず、自分の“慎ましい野望/セコイ欲望”にしか使わないってのは、実に定番としての展開で、それはいいのだ。しかし、そんな小さいヤツが、如何に改心していくか、イイヒトになっていくのかというのが、この手の映画におけるカタルシスだと思うのだ。
で、その展開の持っていき方が弱いんだなぁ。自分自身の力でなんとかしようとして、それが結局うまく行かなくてというのは、悩んで... っていうのは、けして間違いじゃないけど、ちょっとクライマックスに相応しい大きなイベントとしては弱いように思う。やっぱりここは、調子ぶっこいて神様家業を続ける主人公が、神様の力を精一杯使う事件が発生して、何とかしようとするのだけれど、自分の力ではどうにもならないことに広がっていって、それを救うもの、それは愛でしたってのが、お約束的な、そしてこの手の映画に求められていることだと思うのだ。
でもそれはあくまでも、よりグッとこさせるためのアレンジとしてなら、の話であり、この映画はダメなわけではない。これはこれで、それなりに楽しめる話ではある。細かいおバカなエピソード(コーヒーの十戒とか、スカートめくりとか、犬のトイレのしつけとか)そういう小ネタ部分は、そうそうこれこれって感じで、上手いなぁって感じだったし。
ともあれ、終わりよければ全てよしみたいな、オープニングから引っ張る伏線もきれいに着地した(って程ではないか)ハッピーなエンディングで、観終わってがっくりした気分的で劇場を出るような映画ではないから安心だよってことで。
★★★ ☆☆