CHART-DATE : (2003/12)
女性は皆、魔女
(監督/脚本/製作:ノーラ・エフロン)
二人はごく普通に出会い、ごく普通にに恋をし、ごく普通に結婚しました。ただひとつ違っていたのは、奥さまは魔女だったのです。
面白くないわけではないが、自分の求めていた「奥さまは魔女」とは違っていたせいで、なんか入り込めなかったというのが正直な感想だった。ヘンに劇中劇にして、現実と虚構の入れ子構造にしたせいで、かえって散漫になってしまったような気がする。別に、TV版のフォーマットをそのまんま活用してもよかったんじゃないかと思うのだが。
おそらくは、「何故、魔女が人間社会にやってくることになったのか」、そして「どのようにダーリンと出会い、そして結ばれていったのか」というそもそもの部分を、現代にマッチさせるためのリアリティを作り出すために、きちんとやろうとしたために、かえってややこしくなってしまったのではなかろうか。
「魔女のアイデンティティ」とか「人間社会における魔女の暮らし」とか、いろいろ広がりの芽は設定しつつ、しかし基本的に主人公のふたりの話から逸脱しないのはよかった。しかし、自分としては、魔女と人間が恋をしたために起こるドタバタ喜劇ってのが観たかったわけで、この作品はちょっと設定を語る上での策におぼれて、逆に本当に必要な部分を語りきれてないんじゃないのかなぁと思う。
結局、基本的には魔女と人間の恋模様という大筋はあるにせよ、実は女性の自立的な設定のほうが強かったりするわけで、それは別に悪いとは云わない(そして失敗してるとも思わない)が、「奥さまは魔女」でそれを描く必然性があったのかというと、ちょっと疑問。まあ、話の展開上必要なのかもしれないが、ちょっとなぁ。どうなんでしょう?
というわけで、なんか悪くないんだけど、最後まで全編を覆うぎこちなさというか、マットの下の豆が気になる感じのまま観終わってしまったのであった。
★★★ ☆☆