『キャノンレンズの性能に迫る(?)』 の巻
春である。花の季節なのである。というわけで、今回の被写体は『花』。桜や梅のように淡い色合いの、しかも樹に咲く花はなかなかうまいように撮るのは難しい。はたしてどこまでいけるか? というわけで、梅編は伊豆は湯河原の梅林で、桜編は目黒不動で撮影した。
そして今回、もうひとつの裏テーマを設定してみた。前回より使いはじめたレンズ“キャノン50mm/f1.2”。そのクセの強さが妙にしっくりきて、いまのところ一番よく使用しているのだが、そのf値の特徴をどこまで生かせるか。さてその結果やいかに。
(1)松崎町の夜と昼
湯河原へ行くのになぜか松崎に前ノリする。しかし低気圧前線も一緒に来てしまい天候不順。これじゃ撮影旅行じゃなくて、単なる骨休め温泉旅行だが、実は始めからそのつもりだったりして。
夜9時頃に雨が上がったので、軽くぶらついてみる。人通りの少ない街をレトロな街灯が照らしていた。これ幸いとレンズの絞りを開放して撮影する。あれだけの暗さなのに、この明るい仕上がり。三脚いらずである。色の出方もいい感じ。
さて、次の日起きてみて、人影が少なかった理由がわかった。街の人達は恐ろしいことに全員、石に変えられていたのである。下の写真がその証拠。
(2)湯河原の梅
明けて翌日。朝、まだ小雨が残る天候で、こりゃ梅はパスしてとっとと帰るつもりになっていた。が、午後になると少しずつ雲が切れてきて、閉園ぎりぎりの時間にようやく陽が射してきた。なれば、行きましょう。ダッシュで!
観梅シーズンもリミットぎりぎりで、はたして梅自体があるのかというところも不安はあったのだが、無事山の斜面一面に広がる梅の林を堪能できた。
梅園内を流れる小川にカメラを向ける。フレアでダメダメになるかと思いきや、きれいな六角形のゴーストが走り、自分好みのあがりになった。
(3)目黒の桜は
日も改めて、4月。ちらほらと薄雲の浮かぶ、散歩には最高、でも桜の撮影にはイマイチな休日に目黒不動に向かう。
今回は、件のキャノンレンズが実は白黒フィルム時代のものであり、ならばその真価はモノクロにおいてもっとも発揮されるのではという推測を確認しようというのである。
結論からいえば、確かによかった。と思う。いや〜、まだよくわからんですな。レンズの味以前に、モノクロを撮るという行為自体が難しいということを思い知らされたのだった。
(4)犬も見ていた
見える色を白と黒にしたときにどんな絵になるのかが、まだ頭の中で計算できない。モノクロとカラーでは絵になる対象や構図は違ってくるんだということはわかるが、実際にどうすればいいかまだつかめていない。それにカラー写真よりも絞りやなんやらという計算がシビアで、自分の安い露光計ではどうもうまうないこともわかった。
(5)袖すりあうも
そんな中で、とりあえず選んだのがこの3枚。1枚目は桜っぽく、2枚目はカーブミラーをより強調してみた。3枚目はふたりと1匹の距離感。ただやっぱり構図がいまひとつ。やっぱ難しいや。
| 梅 | 桜 |
date | 1999/03/14〜16 | 1999/04/03 |
location | MATSUZAKI,YUGAWARA | MEGURO |
camera & lens | minolta-35ll |
Canon 50mm f1.2 (2)左下のみCanon 100mm f3.5 | Canon 50mm f1.2 |
film | FUJICOLOR SUPER100 | KODAK T-MAX400 |