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旅はあっという間に最終日なのであった。
昨日に続き、レンタカーで島内1周である。ホテルをチェックアウトし、アヤパニモールで土産物を物色し、車に乗り込み、いざ北へ出発。
まずは、宮良川のヒルギ林で停車する。ごく普通の橋のたもとにちょっとした駐車スペースがあり、そこに車を停めて川辺に降りる。一見してなにもないようにみえるが、じっと眼を凝らすといるわいるわ。あちこちでシオマネキが穴から顔を出し、爪を振るお馴染みの動作を見ることができる。トビハゼも泥の上を跳ね回り、これぞ自然なのであった。
しかし、たまにやってくる他の観光者はほとんどは車から降りずちらっと見るだけ、降りても記念写真を撮るだけ、5分もたたないうちに立ち去っていってしまう。
なんと勿体無い。こっちは1時間くらい軽く楽しめるぞ。せっかく南国のマングローブな生態系を楽しめるというのにねぇ。と独りごちるのだった。
ただ、そういうオレもひとつの誤算があった。サンダル履きかつ日焼けイタイイタイのせいで靴下を履いていたせいで、足下がどろどろになってしまったことだ。おかげで突っ込んだ観察がままならなかったのだった。
車は北へさらに向う。
白帆は予想外に静かな村だった。これだけ有名なのだから、もっと観光ズレしちゃってるのかなと思っていたのだが、本当になんにもない普通の村。でも、だからこそいいのだ。海岸に出てみると、あの有名な珊瑚の港が見える。
わざわざここにまできて泊まろうと思う気持ちがよくわかった。
さらに先に進む。
玉取崎展望台につくと観光バスやマイクロが何台も駐車していて、確かにここは観光スポットなのだった。展望台に登ると石垣島のくびれの部分が眼下に広がる。左も右もエメラルゴグリーンの海。くびれ部分があまりにも細くて、いつか切れてしまうんじゃないのかとちょっと不安になってみたりもする。
そのくびれ部分を車はとおり、北へ向うのだが、ここらへんからテンションが急落し始めた。疲れがたまってきていたのだろうか。海へ抜けることのできるサビチ洞や、ホースライディングもその目の前まで行っておいて萎えて戻ってしまったり、どうにも勢いが欠けはじめた。
北の先まで行くのはやめ、車は南へ転進した。