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冬山で雪まみれ  …11

 最後までバカはバカ   

 最終日。
 やるべきことはやってしまったので(?)、今日は特になんにも考えていなかった。実際、とりあえず昼くらいのバスに乗ればいいかなと大雑把な考えだけで、何時にどうやって帰るのかもあまりきちんと決めていなかったのだ。

「ま、せっかく担いできたんだしさ」とぽんすけ隊員。
「確かに初日に堪能したけど、そういう不本意なんじゃなくてスノシューハイクがいいな」
 じゃあ、そうしましょう。ということで危険が少なくバス停も近い国民休暇村へ再び、今度はきちんとバスで、向かう。

 空はは昨日の朝と同様、雲ひとつないいい天気。ただしこちらは山からの吹き下ろしがないせいか(?)、天候が急変することもなく、最後までピーカンを保ち続けてくれたのだった。
「どうせなら昨日が今日だったらよかったのに。なんだかなぁ」とぼやきがないわけでもないが、山の天気とはそういうもんだし、本気で嘆いているわけでもない。

 スノシュー装着! フィールド突入! と不必要な気合いで休暇村の林に入っていく3人。一昨日、XCスキーで滑り、それなりに土地勘ができてきていたので、そして、もともとキャンプ地なので突然の沢などがないことがわかっているので、安心して(もちろん適度の緊張感は持ちつつ)遠慮なくスキーコースを外れ、深雪の中にガシガシと突っ込んでいく。
 スノシューならではの、スキーでは上れないような小山の急な斜面をバンバン登っていく。そんなに高いというほどでもないが登ればやはり見晴らしもよく、太陽の光を照り返す白銀の世界に見とれる一行であった。

 スノシューはかなり深い雪の中にでも入っていける。もちろん雪こぎをしなくていいわけではないが素足に比べれば全然ラクチンだ。荷物がないので身軽に動き回れる。ひとしきりはしゃぎまわれば身体にも馴染んでくる。スノシューサイコー!
 のりにのった我々、雪の上に大の字になってみたり、スノシューを脱いでどれだけ潜るかの実験をやってみたり、と子供のようなハシャギぶりを発揮。人目も少ないせいか完全に羽目を外していた。
 むこうに小山あれば、
「よっしゃ、直登だー!」と当たるを幸い、登りまくり、
あちらに新雪の平原あれば、
「うりゃー、一番のりじゃー!」と全速ダッシュをしてみたり。もちろんその直後に息が上がってぶっ倒れることもお約束のひとつである。

 そんな調子で数時間を過ごし、一気に体力を消耗した我々であった。
 休暇村のコースにつかず離れず一周すると、もうさすがにこれ以上歩く体力は残っていない。そろそろあがってもいいやと、顔を見合わせる。時計をみると切り上げるにもちょうどいい時間だった。

 着替えを済ませ、バスに乗り、猪苗代の駅前で再びソースカツ丼を堪能し、車中の人となる。満足のいく雪遊びの3日間だった。全力で遊ぶ。遊びつくした。振り返ると磐梯山が白い斜面をみせている。
 我々は磐梯山に誓うのだった。来年もまた来るよ、と。
(でも磐梯山には行ってないんだけれどさ)


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