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ソウルぶらり旅  …10

 アイル・ビー・バック! お調子者   

 当初の計画では明洞で買いきれなかった土産の購入や、ウィンドウショッピングなどで時間をつぶすつもりだったのだが、金欠かつ鞄も重いというわけで、気力が萎えてしまっていた。普段なら「こういうときは映画でも行くか」と思うのだが、それも無理。というわけで、もういいやって感じになり、早めではあるが空港へ向かうことにした。今度は地下鉄で金浦空港へ行き、そこからバスで仁川空港へ、というルートをとる。実はこちらの方が多少安く、また、時間も早いようだ。
 空港に着くとさっそく荷物を預けてしまう。身が軽くなり、多少やさぐれ気分から復活してきたので、この新しい空港を探索してみることにした。この空港にはコンビニがあって、空港特有のバカ高い買い物をさせられる必要がないのが実に嬉しい。もちろん旧来の免税店もあるのだけれど、高い土産はオレには用なしなのだ。そんな感じで、店をひやかしたりして時間を過ごすが、ここで財布を確かめてみると、最後のチマチマケチケチ作戦が功を奏したのか、そこそこ残金有り。では、使ってしまおうとロッテリアのキムチバーガーを試してみることにする。これはキムチ炒飯のバンズ(?)にキムチ入りメンチカツを挟んだといういわゆるライスバーガーの一種(?)で、しかしこれにさらにチーズとピクルスが入っているのには少々驚いた。もっとも不味くはなく、正直なところ美味い。でも、もう一回どう? といわれても、もういいですと答えるだろう。

 本を読んでいるうちに時間は思いの外過ぎていき、5時半に、時間に余裕を持って搭乗。余裕を持ちすぎたせいかどうか知らないが、出国審査も搭乗も、そして成田に着いても入国審査で並ばされることがまったくなく、さらに帰りの電車もホームについて1分足らずで電車が入ってきて、まさにスムーズを絵に描いたような帰路であった。

 そんな感じで、怒濤のような、しかしダラダラとした4日間は過ぎていった。面白かったが、半面やり残したことも非常に多かった。近いうちに再訪しなければいけないだろう。そんな思いを強く感じる旅だった。

 ところが“3月は旅の月”は、これで終わったわけではなかったのである。


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