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台北ぶらり旅  …2

 パッケージツアー! お調子者   

 さて、中正国際空港に着いてみれば、また雨模様。最近の旅は雨にたたられている。ついてない。もっとも今回は快適なバス移動が確約されているので、少しは楽ができるだろう。
 初日はツアー旅行のお定まりの強制的市内観光である。台湾ははじめてなので、とりあえず甘んじて受けてやろうではないか。なんて随分と偉そうなオレ。
 まずは超定番、中正紀念公園に連れて行かれる。軽い気持ちだったが、正直驚いた。なにしろでかい。雨だったので中正紀念堂だけを見てまわったのだが、巨大な蒋介石像の迫力には圧倒される。そして像を守る衛兵2人。微動だにしない。しかし絶対動かないのかというとそうでもないらしく、小さい子供があまりにもうるさく走りまわっていたところドン!と足を踏みならすこと1回。一瞬の出来事で、館内瞬時にシンと静まりかえったものである。
 ところで、紀念公園の中には、オペラハウスと劇場(国家音楽廰と国家戯劇院)が併設されている。添乗員によると、ほぼ毎日、なにかをやっているという。京劇をやることが多いらしい。じゃあ、ちなみに今はなにをやってますかと尋ねると、「京劇じゃないですか」という。むむ。「ならば観ずばなるまい」と密かに心に留めおくことにした。

 バスの移動の中で聞いた話だが、台湾と東京の大きな違いは、こういう大きな公園などがあった場合、台湾では“鳩がいない”のだそうだ。理由はなんとなく想像がつくと思うが、“食卓にのってしまうから”。鳩料理好きとしては、かなりリアルな話だと思った。しかし、この話には続きがあって、さっきみた中正紀念公園をはじめとする蒋介石関係の施設には、鳩がいるのだそうだ。というのは、法律で鳩の捕獲を禁じられているから、だそうだ。でもオレがみた限りでは鳩など一羽も飛んでいなかったので、そう厳格に守られてはいないのかもしれないのかもしれない。いや、その前にこの話自体が眉唾という気もするな。

 次に向かったのは龍山寺。日本でいうと浅草寺のような下町の寺だ。観光の名所ってことで、そうでなくてもいつも人があふれている場所なのだが、たまたま翌日がお釈迦様の誕生日ということで、人混み具合も10割増。お供えものも所狭しと置き並べられており、相当に華やかな状態になっている。普段はお年寄りの世界になっているらしいが、この日ばかりは老若男女取り混ぜて、身の置き場もない。
 台湾の寺の面白いところで、入ってすぐは仏教寺院なのだが、奥に進むとあら不思議、道教寺院になっている。神仏融合というか、実利優先というか。まあ、いずこも同じなのだなあと思った。

 続いてはこれぞ初日観光とばかりのお買い物店へご案内。まずは台湾のお茶屋、そしてDFS。しかし中途半端に旅慣れたオレは、こういうお高い店では土産は買わないことにしているので、あっという間に手持ちぶさたになる。そんなときは、ふらりと店を出て近所を散歩することにしている。こういうところが迷惑なんだろうなぁと、自分でも思うが、少なくとも最低限のマナーとして、集合時間を守るとかの集団行動は乱していないつもりだから許してほしい。むしろ買物に夢中になって時間をオーバーしてしまうほうが問題で、今回もとある大家族の一団が、あれやこれや物色しまくり相当に時間を押してしまったらしい。その後、漢方薬と足ツボをまわる予定だったらしいのだが、結局行けずじまいとなってしまった。それ自体はオレとしてはどっちでもよかったのだが、ツアー添乗員的にはバックマージンが減るので大問題。ホテルに到着後、行かなかった証明のサインを書かされたりした。ちなみにのつもりで「サインしたらどうなるの」と尋ねたら、「どうにもなりませんっ」冷たく言い放たれてしまう。なんでこっちが逆ギレされなきゃならんのか。と、ちょっと悲しくなった。


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