「鞄好き」という人種がいる。かく云うオレがそうだ。軽症なのでさほどひどいことにはなっていないが、それでも年に1つは増えていっている。
そんな状況の中、ぜひ語っておきたいことがある。
ビジネスシーンにおいては黒い鞄が多い。というかほとんど黒である。よくて濃紺濃緑濃灰色。いずれにせよダークでシック系が主流。もちろんそれはそれでいい。黒鞄は落ちつきがあり、シャープな印象もあり、どんな服にもあわせやすい。オレ自身、仕事で使っているのは黒い3ウェイバッグである。
ここに罠がある。なにが問題か? それは取り出したい小物がすぐに見つからないということだ。なにしろ財布や手帳、鍵など鞄の中の小物がまた黒系統。目立たないったらありゃしない。まわりが暗いと中のどこにあるのやら、まったくわからない。
手探りでかきまわし、ますますとっちらかっていく。で、ヘッドフォンのコードが絡まったりして、もう最悪。早く家に入りたいのに鍵を取り出すのにも一仕事。そういうときに限ってトイレを我慢していたりするんだよね。
細かい仕切りがあれば解決すると思うでしょう。仕切りがあろうとなかろうと見つからなければ見つからないものなのだ。だって見えないんだから。結局、同じなのである。
全部おっぴろげて探せ? それは中身をぶちまけてみろっつーことですか。店を広げるスペースがあればこそ。そんなに日本は広くない。中身をガバッと開けて探すこともできない。雨の日などは最悪だ。
だから、ここで声を大にしていいたい。黒いシックな鞄をデザインするときは、するときこそは、中は明るい裏ばりにしてくれ。白でも黄色でもいい。どーせ内側なんだから汚れたってオッケーでしょ。ぜひ、お願いしたい。