その日も蒸し暑い一日だった。梅雨が明けて夏全開。
折しも、お盆休み前(オレは違うけど)、ニッパチで割とヒマ(オレは違うんだってば)。ならば行かねばなるまい、“暑気払い”へ。
まずは夏ならではの企画飲み屋、みなとみらいのビアガーデンに一同は集まった。蒸し暑いかとも思ったのだが、ビル風が吹き込むせいか、夕方のにわか雨が涼気を読んだか、予想外に涼しく心地よい。冷えたビールに舌鼓を打つのだった。
ビアガーデンのよさとは、そのラフさ加減だろう。店と外の敷居が低い、というよりないせいか、実に気楽。だから全員集まって、せーの!で店に入るのではなく、適当に集まっていく今回のような飲み会(単なる待ち合わせ場所かよ?)にはもってこいなのだ。しかもビアガールもいるしね。楽しいひとときを送ることができた。
ただひとつ不満があるとすれば、「ビアガールはノリカ系でなきゃダメ」っちゅーこと。衣装がブカブカじゃ、いかん。服に着られるのではなく着こなすのだ。ということだが、そう思うのはやっぱりセクハラなのかしら。反省すべきかしら。
さて、ようやく面子も揃ったところで、関内方面で飲むときの定番、居酒屋『M亭』に移動する。雑誌などにもたま〜に載るが、駅から遠いせいか、知る人ぞ知るといった感じの穴場の店である。この店が実にいい。
まず、店のつくりがいい。和風ノスタルジー民芸調だが、さりとていかにも狙った感じにならずのさりげなさがよい。
日本酒の品揃えがいいことも高ポイントである。冷酒をクーッと喉に流し込む快感はなにものにも代え難い。もう少しキックの強い酒が欲しくなったときは焼酎だ。ここにはマルケスもびっくり『百年の孤独』という九州の焼酎がある。これは見た目は焼酎そのものなのに、味がまんまバーボンというオモシロおかし旨し!な酒。お勧めである(実際、最近はもっぱらこれ)。
そしてなによりもつまみがいい。これこそがこの店の最大の売りといっても過言ではない。毎回、新しいネタでビックリ楽しませてくれるのだが、今回は「とろろパスタ」。そばやうどんがあるのだからパスタもありなのだが、実に盲点だった。これからはパスタにはとろろである。
定番メニューのゴロイカやアナゴの天日干しも激ウマで、大満足。炭火焼きなのに汗みどろにならないのは空調がしっかりしているせいだろうか。以前、横浜西口の炭火焼きの店に行って地獄をみたのとは大違いである。
しっかり食べて飲んでいい気分。日頃の憂いもすっきり晴れきった。
やっぱり酒はいい。いい居酒屋はいい。うまい酒、うまいつまみ。それがあれば人生は楽勝である… (…だといいなぁ)