G式過剰



第13ステージ
『あっついなぁ…』

 あれよあれよという間に夏も後半戦に突入していたりして、そりゃ確かに暦の上では立秋もお盆もとうに過ぎまくっていたりするのだが、ちょっと待て! オレの気持ち的にはまだまだ全然夏をやっていないのによってなふうに、全然、夏残りわずか的な実感がない。てゆーか、納得できていない。

 だって職場の窓からは、蝉も焼け死ぬド晴天な毎日じゃねーか。夏らしい夏を堪能してないオレを待っていてくれるんだよな、なっ!
 ところがふと空を見上げたりすると、なんと雲がうろこ雲だったりして、夏は入道雲じゃねーのかよ? オイ! オレを取り残すなーッ!という焦燥感に身を焦がしちゃったりするのだった。どうせ焦がすなら照りつける太陽光線にさせろ。ああ、もう恐くて空なんか見上げられねー。

 てなわけで、ようやく夏ならではの風物詩を味わう機会がやってきた。
 花火大会である。
 場所は横浜市、海の公園。山下公園や鎌倉のような超人気、超激混みな花火大会と違い、比較的すいている。だからといってショボいということではなく、大玉ありスターマインあり、花火の醍醐味は充分味わえる。しかも芝生に寝転がって。
 例年は、開始時間に合わせて行くのだが、今年は早めに現地入りして、酒を飲みながら夕暮れ時を満喫することとなった。で、花火スタートの90分も前から飲み始めたせいで、打ち上げが始まる頃にはすでに出来上がってしまい、寝る者続出。なんのために来たんだか。ま、心地よい風に吹かれながら、のーんびりと夏のひとときを過ごした。それだけで来たかいはあった。

 と思うことにした。


 さて。
 実はここからが本題なのである。
 大がかりな打ち上げ花火ばかりが花火じゃあない。そう、誰でも遊んだことあるでしょう。ドラゴンや鼠花火、線香花火という自分達で楽しむアレ。

 で、だ。アレって面白いですか?

 子供の頃は、近所の遊び仲間でなけなしの小遣いを持ち寄って自前花火大会をしたり、ロケット花火打ち込みゴッコという無茶をよくやったものである。モーレツに楽しかった。
 が、あれから何年(何十年?)も過ぎた今、同じように楽しむことができなくなっている自分に気づいた。

 だってつまんないんだもん。

 確かに、花火も年々進化して、かなりリアルな打ち上げ花火になっていたり、手持ち花火も複雑で面白いものになってきている。また遊び花火とプロの打ち上げ花火とは、まったくジャンルが違うこともわかっている。その上であえて言おう。『退屈である』
 けして花火がショボいからではない。悪いのは花火じゃない。遊び手の問題なのだ。だいたい、いい歳こいて花火振り回して喜ぶなんて、変だろーが? 火遊びでワーワーキャーキャー騒いでいいのって、10代、いいとこ学生時代までだろう。少なくとも社会人になってそりぇねーだろ、と俺は強く言いたい。てゆーか、もう言ってる。
 別にオトナは花火で遊ぶなというんじゃない。年相応の遊び方があるでしょうちゅーことだ。オトナの花火はアッパー系バカ騒ぎの主役ではなくて、α波系のロマンチックなアイテムとして使用するべきじゃないの?

 というわけでオレがいいたいことは『いい歳こいたオトナが花火なんかではしゃぐんじゃねーよ』ということだ(ちょっとの自戒も込めて)。

99年08月24日(改稿)

G式過剰