G式過剰



第15ステージ
『2000問題』

 2000。

 西暦2000年まで、残り3か月あまり。世間では、楽観主義や悲観主義、現実主義や菜食主義、飲み主義食い主義胃のもたれ(ダジャレかいっ)と、人それぞれ様々な憶測が飛び交っている。
 この単なる4桁の数字がこれほどまでに人々を悩ませ混乱させる問題になろうとは、フォンノイマンも予想だにしなかったであろう。

 さて、ことほどさように世間を震撼させている数字『2000』。しかし貴方はもうひとつの2000問題をご存じだろうか。

 貴方は買い物が好きですか? オレは好きです。新しもの好きで流行りもの好きでもの好きなオレ。物欲戦士といってもよい。ビバ、お買い物! である。
 しかし、所詮は一介のサラリーマンである。財源は有限。そうそう財布のヒモを弛めるわけにはいかないのだ。「そんなもの買っても無駄遣いは後で後悔するぞ。ここは我慢ガマン」と常識的な判断が暴走を押さえる(もっとも買わずに後悔することのほうがツライという意見多数有り)。
 そんなわけで店に入ってグッときたからといって即ゲットに走る前に、緊縮財政維持的堅実路線な理性と相談し、ここはひとつ見合わせるということでいきましょうと折り合いをつけていくことが大事なのだ。

 ところが、理性との相談に至らず勢いでやってしまう、ついうっかり財布を開いていつのまにやら買ってしまっていることがある。絶対にある。理性との合議不要、物欲専決処理物件、要するに衝動買いということだが、さて、衝動買いに走らせてしまう金額の上限値というものがあると思いませんか? その額以下ならつい買っちゃうかもと思える数値。貴方も胸に手を当てて考えてみて欲しい。ほら、思い当たることがあるでしょう?

 もうおわかりだろう。その上限値が『2000円』である。オソルベシ、2000。この4桁の数字には絶対魔物が住んでいるに違いない。

 塵も積もれば山となる。2000円だって100回やってしまえば20万円である。たかが2000円と思って侮ってはいけない。このくらいなら大丈夫と思わせておいて、後で家計簿をみてビックリしないようにしたいものだ。


 とここまで書いておいて謝らなければなりません。
 上限2000円というのはウソです。
 今、オレの衝動買い上限値は3000円なのだった。年をとり年収が多少なりとも増えれば、財布の紐も括約筋も緩んでくるんでしょうか。ま、歳相応ということですかね、違うか?

 ここで、ある事実を発見した。衝動買い上限値の計算式である。

 上限値=貴方の年齢×100円(100円未満切り捨て)

 どうだろう、かなり真実味のある公式だと思うのだが。

99年09月25日(改稿)

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