鷹揚な性格であるはずのオレ。ああそれなのに、なんで世間にはこんなに気に触ることが多いのでしょう。
“ゆびなめ”。雑誌や新聞のページをめくるときなどによく見られる、年配の方々がよくやっているあれだ。下をレロンと出し、親指をなすりつけ、ページに手を伸ばす。その動きには無駄がなく、ある意味様式美にまで昇華しているともいえる(んなわけないか)。
そんなゆびなめを見て貴方は… どうよ? ありですか? 気になりませんか? そうですか。オレはダメです。どうにも許せない。見た目はしたないし、第一、汚ねーだろ。ああ思い出すだけでも鳥肌がたつ。
札勘定のときになめる人は実に多いが、それって誰が使ったかもわからない金をなめるのと同じ行為なんじゃないのか。衛生観念の完全なる欠如。病気をもらっても文句はいえない。
ま、これは自分で爆発的行為なのでとりあえず見逃すとしよう。しかしこれはどうだろう。最近スーパーやコンビニでは(過剰サービスの一環として)袋を開いて渡してくれますね。で、袋を開くときになめられてしまうんですよ、これが。それで開きやすくなるとも思えないのだが。むしろ自分の唾がついた袋をお客に押しつけるわけで、かえって失礼なんじゃないですか?
あと立ち読みのとき、買いもしないのに雑誌をなめる奴も多い。涎つきの雑誌を他人に買わせようとしているのか? それが嬉しいのか? 犯罪だよ、犯罪。性犯罪だ。
おそらく指をなめている人はその動作自体が癖になっているのだろう。だから別にめくり易かろうと難かろうとに関係なく『なにかをめくる』行為に対して、無意識のうちに指を口に持っていってしまうのだ。
“ゆびなめ”。年配の方々だけだと思ったらそんなことはないのだった。30代はおろか20代でもけっこう多い。人目も気にせずレロレロとやるのをオレは何人も確認している。いやはや。
もしかして他の人達はそんなこと気にもしないのだろうか。気にするオレのほうが少数派なのか? 偏質的な潔癖症なのか? ああ、こうしてまたストレスがオレをダメにする。
教訓である。「雑誌の紙は芥子をねりこんだやつを使え!」。教訓というよりは心の叫びだな。