第十番 得度山 切幡寺。
切幡の山麓を通りかかった弘法大師は機を織る音を耳にして、衣服の破れを繕う布切れを所望したところ、娘は織りかけの白布を差し出しました。感激した大師は「千手観音様を刻んで衆生を救いたい」という娘の願いを聞き入れ、像を彫り、娘を得度させ秘密潅頂を授けると、娘の身から七色の光明が放たれ、千手観音の姿に変わった。という説話があり、本尊が二体あるのはこの縁起に由来します。いい話のようで実はしどいかも。
寺はけっこう険しい山肌に張りつくように建立されており、たどりつくのもたいへん。しかもそれまで晴天だったものが突然の雪で、どうなることかと思いました。が、それはまだ予兆でしかなかったのです。
徳島、切幡寺にて入手。
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