CHART-DATE : (1999/01)
作品
SongMasters
… のど自慢

(主演:アジアの歌姫とか)


お話

 みんなあつまれしゅびどぅわー。呑気な人達のミュージカル。


お話

 ちょっと田舎の地方都市。そこに暮らす市井の人たちの、笑いあり、涙ありの人間模様が、町にやってきた「のど自慢」をとおして描かれる。売れない演歌歌手や再就職努力中のおとっつぁん、不倫で妊娠で家出の姉を持つ妹といった、どこにでもいそうな、の人たちそれぞれの人生のちょっとしたエピソードが中心となるため、話としては大きなうねりを持ってはいないのだけれど、これはこれでいいのである。なんか松竹映画的なんだけれど。

 井筒監督作品を観るのは実ははじめてなのだが、何となくのイメージなんだけれども井筒作品って、もっと激しく血の気が多いのかと思っていた。が、予想外に細やか。登場人物やエピソードの入れ代わりも、さりげなく巧みだし、さすがって感じ。人物の相関関係も意外なところで意外につながっているという、この手のグランドホテル形式の黄金パターンをきちんと押さえてオーケーです。

 一言でいっちゃうと人情喜劇のプログラムピクチャーなんだよね。ネタ的には小品なんですけれど、昨年の『卓球温泉』『ヒロイン!』と、かの『ShallWeダンス!』以降、この手の大衆娯楽路線が増えてきている。でもけっして嫌いではない。むしろかなり好き。ある意味日本の伝統芸路線だし。なにより見終わってほんのり暖かい気分で映画館を出ることができるって実はすごく幸せなことだものね。
 というわけで、とにかく見終わると歌を歌いたくなる自分がいたのだった。


お話
  1. はれの舞台に向けて普通の町の人達がテンションを上げていって、舞台では奇抜な事になっていくのが実にいいね。映画的で。予想外の役者が予想外な役づくりで出演しているのが面白かった。
  2. メインの3つのエピソードのうちのひとつである、大友康平のポジティブ思考な気のいいおじさんぶりがとってもいい味を出している。家族愛だ。
  3. エッセイストから最近はめっきり体力芸人化している室井滋。今回一番の見せどころは、エンドロール後の次回予告だ。があること自体は知っていたのだけれど、あの予告は… ねらい過ぎ…

お話
★★★★

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