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八重山にマブイ落としに  …9

 空に星。地に星   

 竹富の夜は早い。いや、ある意味遅いともいえるのだが、とにかく日が落ちると夜のとばりはあっという間に降りてくる。街灯もほとんどないため、夜のまちなみは薄暗い。
 というわけで、空を見上げてみる。そこには満天の星があった。
 すごい。我が家も山間にあり、都心に近いとはいえ星は割と見えるほうだが、比べるほうが間違ってるかといわんばかりに、すごい。黒い部分より明るい部分のほうが多いんじゃないか(そんなわけはないが)と思うくらいに星だらけなのだ。なんかぼんやり雲が出ているなぁと思ったらそれが天の川。これが星空というものだと、本当にそう思うのだった。

 さて、ふと足下をみると、今度は道ばたで光るものがある。もしやと思い、目を凝らすとそれは予想どおりホタル、のちょっと予想は外れて幼虫だった。しかもでかい、異様なほどに。小指ほどもあろうかというホタルの幼虫など、生まれてこのかた見たこともない。そしてさらに、ホタルといえば水辺にあるべきなのに、何故こいつらはごく普通の路地を平気でうろついていられるのだ? めったに驚かないオレではあるが、これにはビックリ。いやはや生き物というヤツは実に多種多様だ。


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