…14
さあ肉だ! いい感じに焼け始めている 本当はこちらが主役なんです |
龍泉洞の悲劇にがっくと肩を落としつつ、しかし見るものもないのにいつまでもここに留まっていてもしようがない。洞窟は逃げない。またいつか来ればいいのだ。
というわけで気を取り直して今回の旅の最後の目的地盛岡市へと向かう。どこまでも続くような山道をまたまた小一時間も走る。と、山道が途切れ突然市街地が目の前に開ける。盛岡だ。
盛岡での目的は『麺ッ喰い3本勝負』。
3本といっても、もちろん麺を3本だけ食べるという意味ではない。そんなとこ思う奴はいないか。
盛岡には全国的に有名な麺が3つある。わんこ蕎麦。冷麺。ジャジャ麺がそれだ。これを一気に攻略しようというのが盛岡での(少なくともオレにとっての)テーマである。
さて、おりしも昼飯時。第一弾は冷麺である。なぜ冷麺が盛岡名物なのかという問いには様々な場所で語られているのでここには書かない。第一、我々はそのルーツを探るために来たのではない。あくまで食し達成することのみを目標とすればいいのだ。
目的地は国道沿いのぴょんぴょん舎。昼飯時から多少外れていたので大丈夫だろうと思ったら、これが大きな誤算で、やはり祝日パワー全開。30分以上の待ち時間となる。しかし他にすいている店を探すのもさすがに馬鹿馬鹿しいというのでポカポカ陽気の下、だらだらと待つことにする。
冷麺ということはすなわち焼き肉屋でもあるということだ。待つ間、漂うにおいは間違いなく焼き肉のそれ。で、我々はそこで気づくのである。そういえばこの旅の間、ずっと魚ばかり食ってような気がするぞと。いや、気がするのではなく実際にそのとおりなのだ。もちろん魚がうまい土地に来ておいて魚喰わぬはバカだけれど、ここは盛岡、牛の国。それに気づいてしまったら、当然のように肉を猛烈に食べたくなる。となればここは食うでしょう。と意見はコンマ数秒で一致し、カルビ、牛タンを即発注するのだった。
美味い。
お目当ての冷麺も最高で、胃袋は非常に満足した。
ただひとつだけ問題があった。店の混雑のせいで、昼食は3時。つまりおやつ時間になってしまっていたのだ。今日の夜はわんこ蕎麦勝負なのに。こんなに遅い時間に腹一杯にして大丈夫なのか。消化しきれるのか!
しかしいまさら後悔してもしょうがない。食べてしまったものは仕方がない。