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ソウルぶらり旅  …8

 ショッピング! お調子者   

 腹にエネルギーが入って元気になり、足の調子も程々に回復していたので、南大門に買い物に行くことにした。今回の物欲の目玉、皮コートの物色である。欲しかったのはスェード素材のピーコート。しかも明るい色のヤツ。何件かあたってはみたものの、そもそもピーコート自体通じなかったり、挙げ句の果てには「センスないんじゃない」という暴言吐かれたり、散々なことになった。オレの全人格否定かよ? まあ冗談なんだろうけど、ようするに一般の人がほしがらないようなものは作っていないということなのである。それは当然といえば当然で、次回来たときにオーダーメイドする以外ないということがわかっただけでも収穫であった。
 でも、だから買わないってのはかなり悲しかったので、明るい色の普通のハーフコートを買うことにした。南大門でいくつかあたり、値段を頭に入れておいてから東大門へ移動する。途中、デパートに立ち寄り海苔やキムチなどを買い始めると、ようやく気分もお土産購入モードに切り替わった感じだ。
 東大門の手前、スタジアム前の出店屋台でネクタイ屋をようやく発見。良さそうなモノも見つけられて5本購入。なんとなく上向き調子になってきた。東大門へ着いて、まず探したのは靴である。足の調子がよくないのは今履いている靴のソールがへたっているのが原因らしいとわかったからである。だったらついでに革製のスニーカータイプの靴も安ければ買っておこうと、そういう思惑である。何軒かまわってはみたものの結局本革は見つからず、しかし合皮で納得いくモノがあったのでその場で履き替え。多少オシャレな気持ちになる。
 で、本命のコートだが、結局いいものがなく、というよりも市場自体に活気が感じられず、如何ともし難い状態だった。昨日の梨泰院といい東大門といい、スイートスポットは年々変化しているのだなぁと思わずにはいられない。

 荷物がたまってきたので、いったん宿に戻る。途中コンビニで「胃力」という飲み物を見つけ、とりあえず飲んでみるとヨーグルト味だった。なるほどね。
 さて、荷物を部屋に下ろし、再度買い物である。仁寺洞付近から流し始め、仏具街までを舐めるという計画だ。仏具店では昨日、けっこう博物館で感動してしまった行きがかり上、弥勒菩薩半跏像レプリカを購入する。サイズによってかなり値段の差があるのだが、さんざん迷った末、大きめの15センチくらいの鋳造ものを買う。仁寺洞の土産物屋で買うより安いかかなと思ったが、仏具屋でも値段は一緒だったのが少々調子抜けの感はあったが、お守りをおまけに貰えこれは嬉しかった。
 そのほか、仁寺洞でもいろいろと土産を買い、いよいよ革コートにケリをつけるべく、再び南大門に戻る。今まで見てまわった結果をふまえて、2着買うことにし、値段の交渉に入る。素材や色や着心地など相当長い時間粘り、かつ財布の中身との激しい相談の結果、牛革の白いハーフコートと、羊革のキャメルカラーのジャケットを購入。店員がなんとなく胡散臭げには思えたが、買ったもの自体には満足している。
 交渉に思いの外時間をかけてしまい、出てみると南大門は夜になっていた。市場一帯はいつの間にか怪しげなムードというかパワーアップしている。どこから現れたのか、屋台や怪しい出店やらが乱立し、ナイトマーケット特有の胡散臭い有象無象の熱気が満ちてきている。こういう雰囲気って大好きなんだよ、オレ! と、こちらもちょっとハイになり、ついベルトやストラップなどを買ったりしたのだがこれがいけなかった。
 改めて財布の中を確認すると、金がない。いや、掏摸れたとか、そういうわけではない。自業自得。使いすぎ。大失敗である。その時点で残った金が3千円相当で、明日のことを考えると、いや、明日のことを考えなくても、どう考えても心許ないのだ。銀行も閉店してる。街の兌換屋はあるが、それほどでかい額を両替しても使い切らないだろうし。数分悩んだ末、いささか情けない結論だが今日は極力抑えて済ませようと決めた。
 というわけで、韓国ラストナイトは民俗酒場でのんびりという計画は敢えなくボツ。宿に戻る途中、屋台でトッポギと串焼肉とおでんを、コンビニでビールと焼酎を買い、計数百円也という悲しい夕飯ということになった。結局、3夜のうち、ちゃんと店で夕食をとったのは1日だけという、なんとも悲しい結末を迎えてしまった。
 まあ、ダラダラと韓国のバラエティ番組を観ながら気楽に飲むのもそれはそれで悪かぁないんだけどね。って同じ台詞を2日前にも思ったような気がする。


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