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ソウルぶらり旅  …9

 カメラマン! お調子者   

 青い空が見える。帰る日になってようやく太陽が顔を出した。そうなると、カメラを使う気にもなる。朝飯がてらに撮影散歩に出る。といっても仁寺洞は朝飯屋が極端に少なく、屋台で朝飯という希望は到底満たせない、結局、コンビニでなぜかピロシキパンと韓国に来て気に入りまくっているフルーツミルクを購入。ベンチで寂しい朝食となる。
 もっとも天気はみるみるうちによくなっていているので、いよいよカメラの出番だ。あまり宿から遠出するわけにもいかないので、『タプコル公園』に行く。塔や門をパシャパシャやっているうちに意識もカメラモードに切り替わってきた。もっといい被写体はないかな、と考えているうちに『慶徳宮』を思い出した。確かここから歩いていける距離だ。と、いうわけで行ってみた。ところがついてから思い出したのだが、ここは入場料を取られるのであった。そして、今のオレにはそんな余裕はなかった。情けない。しかたがないので表門から見えるところを細々と撮影してみたり、階段に座ってひさしぶりの陽の暖かみを感じたり、と実にのんびりとした時間を過ごす。なんか韓国にして駆け足ばかりだったかなぁ、こういう時間もいいかもなぁ。と思う。いや本当はそういう使い方をしたかったわけではなく結果的にそうなってしまっただけなのだが。

 昼近くになったので、宿をチェックアウト。お土産で重くなった鞄を背負い明洞へ向かう。昼食はカルグクスにして、食べ比べをしようと、いうわけだ。店は『明洞餃子』。さすがにガイドブックにも多く取り上げられているだけあって、客も多い。観光客だけではなく地元の人も入り乱れて相当な混雑だが逆に期待できそうだ。
 で、ここのカルグクスだが、おそらく鶏ガラスープであろう濃厚な味わいで、具もワンタンとジャジャ肉様のそれ。味が肉々していてこれはこれで美味い。麺自体は柔らかめで、もしかしたら昼時なので作り置きしているのかもしれない。替玉をやっているらしく、相席の兄ちゃんは途中で麺を足してもらっていた。なるほど地理的には福岡に近いし、そういう文化なのかなと邪推した。個人的には、あっさり味のほうが麺を楽しめるので、仁寺洞の店のほうが好みだが、どちらも美味いことだけは確かで麺好きだったらたまらないだろうなと思った。


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