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台北ぶらり旅  …9

 ウーロンナイト! お調子者   

 さて、夕方。初日にガイドが話してくれたオペラハウスに行ってみる。目的はもちろん京劇。月別演目パンフにもいかにも面白げに書いてあり、近づくにつれ期待はどんどん膨らんでいく。が、しかし。ついてみればどうも様子がヘンで、京劇をやっている雰囲気はないのであった。ピンとくるものがあり、窓口で確認すればなんのことはない。京劇なんてやっていない。現在の演目はモスクワバレエ団。全然違うじゃねぇか! うーん、あの逆切れガイドを信用したオレがバカだった。きちんと確認をとらなかったオレもバカだった。結局無駄足である。しかたなく陽が落ち、ライトアップされた公園を散歩したり写真撮ったりする。転んでもただでは起きないのだ。と威張れるほどでもないな。
 ここで見かけて面白かったのは、チアリーダーのグループが何組も散らばって練習していることで、これがいつもの情景なのか、コンテストかなんかがその夜にあってのことかは、よくわからなかったが、まあ、元気のいい声はそれなりに励まされた。
 もっともオレの受難はさらに続く。

 夕食までにはまだ早いなと思ったので、マッサージに行こうと思い立つ。今回一番行ってみたかったのは、足で踏んでくれる店。いかにも台湾式っぽくて効きそうなので、これはやっておきたかったのだ。というわけで、事前に集めておいた情報に従って行ってみる。
 ところがまたまたショック! その店は入っていったビルごとなくなっていた。更地が暗い闇に広がっているのみ。もうここまで外すといっそすがすがしい限り。ウソである。もう相当にゲンナリして、もう今日は、どうでもいいやぁという気持ちになってしまう。買い物して、飯食って終わりでいいやぁ。と割り切り、繁華街へずるずると移動。途中、量販土産物屋を見つけ適当に買い込む。
 そうやって、物欲を消費しているうちに気持ちもようやく落ち着いてきたのか、頭も健全にまわりだした。そういえば、この近所にお茶屋があったはずだ。そうだ、お茶買お。そうだ、そうさ、その手があったさ。

 さすがに3度目の正直で、店は暖かくオレを迎えてくれた。さっそく凍頂烏龍茶を何種類か飲ませていただく。美味い。その甘さ香り高さにかなりクラクラくる。次に東方美人を飲ませてもらう。こちらは香ばしいタイプで、これまた美味しい。いろいろと飲み比べてみたが、結局、一杯目の凍頂烏龍の鮮烈でかつ優美な香りにノックアウトされてしまっており、今回はこれを買おうということになった。これはどう? と勧められる度に新しい包みを封切りさせてしまってなんか申し訳ない気持ちではあったが、何種類も買えないぞ、ということと、土産ることも考えると、量を買ったほうがいいかなと思い、6包買わせていただく。それだけだとちょいと寂しいので、前から買いたかったジャスミン玉はも購入。返す刀で、茶器も見てしまう。試飲で入れていただいている姿を見るにつけ、やっぱきっちりと茶器も用意しないといかんなと思い、ショーケースに張りついて値踏みしまくり、リーズナブルなれど、白磁タイプの落ち着いたものを一式購入する。結構買い込んだお礼に茶匙をサービスしてもらい、とりあえず自宅でも聴茶できるようになった。もっとも、多少足りない品もあったのだが、それは家の近くの100円ショップでいいや、と思うところが地味で庶民派なオレなのであった。


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