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場当たり的な一日は続く。バス停にもどり、これからの予定を組み立てる。ちょっとばかり眠気もきていたので乗り換えするより一気に市街まで行こうかな、と、台北駅行きに乗り込み、一眠り。小一時間もすると到着である。本当は終点までではなく途中で降りるほうがよかったのだが、なんとなくめんどくさくなって終点まで行ってしまうが、これがまたまた失敗なのであった。悪書「歩き方」に載っているマンガ街、すなわりちオタクなストリートに向かったのだが、これが思った以上に距離があり、せっかくの温泉パワーは無駄に消費されていった。しかも着いてみれば地図の場所にはそんなものはなかった。あるのはごく普通の町並みのみ。さらに、近くにはMRT駅もなく、にっちもさっちもいかないのだ。もう台無し。とほほな気分でとぼとぼと一番近くの駅(といってもかなり距離があるのだ)まで歩く。しかし、そこに着いたからといってなにがあるわけでもない。繁華街は繁華街だが、高級デパート街ではオレには無用。もう埒があかない。
と、ここでピンと閃くものがあった。そういえばヒト駅進むと孔子廟があった。「歩き方」で確認すると今日は開いてる日。それだ! とばかりに電車に飛び乗り、孔子廟をめざす。ところがたどり着いてみれば、門は固く閉じられていたのだった。何故に? 門前払いもいいところだ。なんか今日は全然ついてない。おりしも日暮れ時である。中に入るときに「孔子廟、くぐり抜け、見上げる夕焼けの空に」と口ずさみながら一人ボケツッコミでもしようと思っていたのに、またもや台無し。バカな邪念があったせいか? しかたなく隣にある保安宮に行ってみる。こちらは静かにオレを迎え入れてくれた。極彩色の寺院はライトアップされていて、薄暮の空に朱色が浮かび上がって気持ちよかった。人もほとんどいなかったので、純粋にお参りなんかもしてしまう。
帰り道、駅に向かう途中で見つけた地元のスーパーマーケットで土産の物色でもと思って入ろうとしたら、ここもまた門前払い。どうやら会員制のスーパーだったらしいが、次から次へとダメです攻撃を受けて、もうなにながんだかわからない。情報活用してないオレがいけないのかもしれないけど、ちょっとやるせない。